スイング・ジャーナル誌の休刊 随筆のページへ

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File No.100704
スイング・ジャーナル誌が、この7月号で休刊になる。昭和22年創刊というから、同誌の内容は即ち日本におけるジャズ界の歴史と言える。私は胸を張れるほどの熱狂的なジャズファンという訳ではないが、休刊と聞いて買ってきた。廃止が決まった特急列車の最終便に、別れを惜しむファンが駆け付けるようなもので、「それならちゃんと毎月買えよ」と非難されそうだ。まあ、そう怒らないでほしい。スイング・ジャーナル別冊の「モダン・ジャズ 歴史図鑑」(平成10年4月発行)などは大切にしている。毎月はとても買えないが、ランキングが載ったりすると買ったり、図書館で借りたりして読んでいる。今回の7月号には「本誌読者人気投票に見る、日本ジャズ界60年史1951−2010」が載っている。ジョージ川口、松本英彦、北村英治、日野皓正、渡辺貞夫、原信夫とシャープス&フラッツなどなど名前を聞いただけで演奏している姿が浮んでくる。私は日本のジャズ界を“ほぼ”黎明期から聴いてきた。日本における宇宙開発や自動車産業の変遷同様、私はある意味ラッキーな時代を生きたと改めて思う。


2010年7月号

1998年4月発行の別冊

私が昔買った17センチレコードの中に、アート・ブレーキーとジャズメッセンジャーズがある。曲目はジャズでありながら当時大ヒットした「モーニン」と「ブルース・マーチ」である。改めて今出してみると「表紙写真提供:スイング・ジャーナル誌」となっていた。裏の解説面に発売年月は入っていないが、内容からすると1960年前後頃の発売ではないかと思う。メンバーを見るとリー・モーガン(tp)、ベニー・ゴルソン(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)となっているので、1958年結成のメンバーである。解説記事には「"サンジェルマンコンサート"に先立って行われたパリの"オランピア劇場"におけるコンサートの現地録音です」と書かれているので、おそらく1958年12月の録音だろう。CDで復刻した「モーニン」が1958年10月の録音で、全く同じメンバーである。このCDのキャッチコピーに「世界中にファンキー・ブームを巻き起こした歴史的傑作」と書かれている。九州の片田舎に住んでいた私が、モダンジャズのレコードを買ったのだから世界的なヒットであるのは間違いない。


17センチ・レコード
「モーニン/ブルース・マーチ」
(1958年12月?)

アート・ブレーキー
「モーニン」(1958年10月)

クリフォード・ブラウン
「メモリアル アルバム」(1953年)


私がジャズを聞くきっかけになったのは、高校のころ地方ラジオ局の専属バンドの演奏を聞いてからである。その時「リクエストがあったらどうぞ」と言って、会場からリクエストされたのが、確か「チュニジアの夜」ではなかったかと思う。ジャズは日本も海外も全般聞いたが、やはり「モーニン」や「ブルース・マーチ」などから入ったせいで、アート・ブレーキーがらみをよく聞いた。クリフォード・ブラウンとの「バードランド」でのライブのCDは大事に聞いている。クリフォード・ブラウンが25歳という若さで逝ったのはいかにも惜しい。ブラウン・ローチというコンボの結成が、結局こう言う結果になったとも言える。いまさら言ったところで仕方ないが、もし「バードランド」後、アート・ブレーキーと組んでいればと思うと返す返すも残念である。1950年代のハード・バップの強烈な刷り込みで、私の頭の中は洗脳され、70年代のフュージョンは今もジャズとは思っていない。1980年代に入って、ジャズメッセンジャーズにウィントン・マルサリスが入ったころからまた聞き出した。


アート・ブレーキー
「バードランドの夜」(1954年)

ブラウン/ローチ
(1954〜55年)

アート・ブレーキー(1981年)
(tp)ウィントン・マルサリス

「スイングジャーナル読者が選ぶジャズ名盤ベスト100」というランキングを見ると、1950年代の演奏を好む人が多いようだ。5位にアート・ブレーキー「バードランドの夜Vol.1、2」、12位にクリフォード・ブラウン、24位にブラウン・ローチ、25位に「サンジェルマンのジャズメッセンジャーズ」、33位にアート・ブレーキーの「モーニン」など私の好きなのがいくつもランキングされている。"やっぱりジャズは、ハードバップだよな"と意を強くする。読者と共に歩いてきたスイング・ジャーナル誌だが、残念ながら今月号で「休刊」である。しかし、決して廃刊ではない。連載記事「中山千尋の日々」には期待を込めてこう書かれていた。「最後に予言を。スイング・ジャーナルはすぐに復刊します。新しい暦のサイクルが始まるだけです。では、復刊号にて」と。最後のページのLast Chorusにはスタッフの方が「休刊=敗戦宣言ではないはずだ。個人的にはこの休刊は復刊に向けての充填期間だと思いたい・・・」。休刊といっても、決してジャズファンの熱い気持ちに変化があった訳ではない。一日も早い復刊を期待したい。



アート・ブレーキー(1985年)
(tp)テレンス・ブランチャード

ウィントン・マルサリス(1987年)
「スタンダード・タイム」

日野皓正
「ザ・ベスト」



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2010/07/11 NBA レブロン、FAでヒートへ移籍
NBAキャブスのレブロン・ジェームズが、FAでヒートへの移籍が決まった。クリス・ボッシュもヒートへ移籍するという。一方ドウェイン・ウェイドはヒート残留を決めた。レブロン・ジェームズとクリス・ボッシュが来ると聞けば、あえて出ていくやつはいない。来シーズンのヒートは、一気に優勝最有力となった。