プラモデル
支援戦闘機 F−2B
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File No.090906

 1:48 (株)ハセガワ

[F-2とは]航空自衛隊の支援ジェット戦闘機で、艦船・戦車などの脅威を防御する。機体構造には、日本が世界に誇る炭素系複合材料が主翼など各所に使用され機体重量の低減がなされている。航空自衛隊機では初のフライバイワイヤ式サイドスティックが採用され、飛行制御コンピュータは日本独自のものを開発している。また、レーダーは、アクティブ・フェイズド・アレイレーダーを搭載しているが、量産機では世界初である。これにより精密な目標選択と攻撃を可能にしている。エンジンにはジェネラル・エレクトリック社製の推力30000ポンド級のF110-GE-129が選定され推力が向上している。  ≪データ(プラモの説明文より)乗員:2名(F-2Aは1名)、全幅:11.13m、全長:15.52m、全高:4.96m、エンジン:ジェネラル・エレクトリックF110-GE(IHI)-129、推力:17,000lb(アフターバーナー最大出力29,500lb)×1基、離陸重量:20,517kg(AAM×2、ASM×4、600galタンク2搭載時)、固定武装:M61A-120mmバルカン砲×1門、最大速度:マッハ2.0、初飛行:1995年10月7日(XF-2A1号機)

 現在F-2は、三沢基地の第3飛行隊・第8飛行隊、築城基地の第6飛行隊に配備され、空自の支援戦闘機はすべてF-2になった。F-1の後継機として、F-16戦闘機をベースに日米共同で制作されたが、対艦攻撃を重視した設計がなされており、これがF-2の最も得意とするところだ。しかし、平成17年度の防衛計画大綱では、要撃・支援の区分がなくなり、マルチロール能力が求められている。平成17年の防衛白書にはこう書いてある。「わが国に対する武力攻撃が行われる場合には、周囲を海に囲まれたわが国の地理的な特性や現代戦の様相から、まず航空機やミサイルによる急襲的な航空侵攻が行われ・・・・・防空のための作戦は、侵攻側が攻撃の時期、地域、方法を選択できること、初動対応の適否が作戦全般に及ぼす影響が大きいことなどの特性を有する」。そういう意味で「F-X」にはマルチロール性が要求されるわけだが、F-2にも当然、要撃任務が課せられることになる。

さて、先日の総選挙では民主党の大勝と、自民党の歴史的大敗に終わった。今、着々と民主党体勢に向け準備が進められている。しかし、民主党の方針について、懸念されるところは「安全保障」の問題である。鳩山代表は「対米依存型の政治ではなく、より自立を促す外交を作り上げる」として、マニフェストにも「対等な日米同盟関係」を謳っている。しかし、対等な日米関係というなら、それなりの基盤の確立が必要である。憲法を改正し、更なる自衛隊の強化をはかり、集団的自衛権を認めることもそのひとつと言えよう。国民の安心で豊かな暮らしを守る基本は、しっかりした安全保障に裏付けられなければならない。ところが実態は、公約とは裏腹に、社民党との連立を視野に、全く反対の方向に進んでいるかのように見える。次の「防衛計画大綱」が心配である。野党であれば理想を掲げて、反対を唱えていればよかろうが、与党になればそうはいかない。民主党内だけでも一枚岩ではないのに、ましてや308議席の端数にも満たない党の理想論に振り回されるというのは如何なものか。

さて、F-2についてもかなり不安の声が聞こえてくる。それは、当初130機だったが、94機で調達打ち切りとなったことでもわかる。政府の発表は「機体が小さく性能向上の余地が少なく、ミサイルなどの装備数にも限界がある」ということだった。これに加え値段の高さも要因の一つである。調達価格は120億円とも言われ、F/A-18やF-16などよりはるかに高いようだ。F-2は、試験飛行段階から不具合が発生し、何度も開発期間が延長され、運用試験段階でも製造不良やレーダーの不具合がわかり、実際に三沢に配備されたのは2004年だった。開発作業が始まった1988年度から実に16年の期間を要している。これでは時代に合わなくなったというのもうなづける。しかも、いまだに欠陥機のウワサは消えない。周辺国がこれを知ったらどう思うだろうか。政治の世界の現状とあわせて考えると、ここ数年の安全保障に不安を覚えざるを得ない。そんなことを考えながらこのF-2のプラモをつくってみた。

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2009・09・12 米政府「三沢基地のF-16撤収打診、嘉手納のF-15削減も」(西日本新聞)
西日本新聞にこんな記事が載っていた。オバマ政権の国防戦略見直しにより、米軍三沢基地に配備しているF16戦闘機約40機すべてを早ければ年内から撤収させるとともに、米軍嘉手納基地のF-15戦闘機50機余りの一部を削減させる構想を日本側に打診してきたという。仮に北朝鮮への外科的先制攻撃(サージカルアタック)をする事態に陥った場合でも、空母やグアムからの攻撃が可能で、三沢基地に配備する価値が低減しているそうだ。日本政府関係者はF16を撤収させた場合、グアムの米軍基地から次世代型戦闘機F35を巡回の形で駐留させるとの予測をしている。


2009・09・16 幻の「亀井防衛相」(西日本新聞)
今朝の西日本新聞にこんなタイトルが大きく出ていた。鳩山氏側近が、国民新党幹部にこんな意向を伝えたという。「民主党内は安保政策で意見が分かれており、防衛相は党外の人がいい。社民党の福島党首も入閣するので、これを抑えられる亀井さんの起用は面白い人事です」。これに国民新党側は“好感触”だったという。ところがここから迷走が始まる。亀井氏は、米国流の新自由主義やイラク戦争を厳しく批判してきた人ということで、国民新党幹部に米大使館関係者から「本当に亀井氏なのか」という問い合わせの電話が入ったのである。結局、米国の意向も反映してか、亀井防衛相は実現しなかった。今回のこの迷走劇は、実に民主党の安全保障政策の事情を表している。民主党内も一枚岩ではないのに、社民党と連立を組んだことで、いよいよ“どうしてよいやら”状態である。防衛省幹部は「亀井氏が起用されれば、民主党は安保政策から逃げたということになる」と言ったという。国民を守る根幹が、こんなことでいいのか。しかも「面白い人事です」とは何事か!


2009・09・20 西日本新聞の「挑戦・鳩山政権」の記事にこんなことが載っていた。
・・・・社民党幹部が補足して言う。「連立を組んだ以上、党と党は対等。忘れてもらっては困る」・・・
・・・・民主党の中堅議員は言う。「来年夏の参院選で勝つまでは、ごまかしながらいくしかない」・・・