改正割賦販売法 随筆のページへ

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File No.090609

消費者行政を一元化する消費者庁設置法が衆院で可決成立した。福田前首相の熱意がやっと通じたようだ。今年9月には発足する。今までの産業界重視から消費者の視点に立った行政へ転換する。各省庁にまたがる権限を一元化する訳だから、またもや霞が関の抵抗という一抹の不安もつきまとうが、本当に消費者の利益優先の視点で機能するかどうか成り行きを見守りたい。まずは消費者庁長官に、どんな人が起用されるのか注目である。とにかく霞が関と戦っても一歩も引かないような人になってほしいものだ。ただ内閣府の外局として、民間有識者による「消費者委員会」が、消費者庁と同格の監視機関として設置されるので、これは充分機能してほしい。もうひとつの問題は、消費者に一番近い、地方の相談窓口の整備である。与野党合意で国の支援を強化するという。こちらも期待したい。
数日前、消費生活アドバイザーの講座「最近の経済産業省の消費者行政の動向」を受けた。"消費者を守る法律を強化します"という法律改正のなかから「割賦販売法」の関連を抜き出してみた。


☆規制の抜け穴の解消
[指定商品制・指定役務制の撤廃]
不動産の販売を除くすべての商品・役務を扱うクレジット取引(信用購入あっせん)を、割賦販売法のクレジット規制の対象に。 [改正割販法第2条]
その上で、個別クレジット契約について新たに導入された クーリング・オフになじまない商品役務等は、クーリング・ オフの対象から除外。 [改正割販法第35条の3の60]
[割賦の定義の見直し]
これまでの「2ヶ月以上かつ3回払い以上」の分割払いのクレジット契約に加えて、「2か月以上後の1回払い、2回払い」も規制対象に。(翌月1回払いは従来通り規制対象外) [改正割販法第2条]
(注) 今まで「割賦購入あっせん」と定義していたものの中で、クレジットカード等を使用し、総合方式やリボルビング方式で契約する場合は、カード契約時など事前に信用調査が行われ、包括的に与信の限度額などが設定されるため「包括信用購入あっせん」と定義。クレジットカード等を使用しない場合は、個別の契約ごとに与信が行われるため「個別信用購入あっせん」と定義される。
☆罰則の強化
違反業者に対する罰則を全体的に強化。(不実の告知、重要事項 不告知→現行2年を3年に引き上げ等) [改正割販法第49条等]
☆自主規制の強化
クレジット取引の自主規制等を行う団体を認定する制度を導入 [改正割販法第35条の18等]
☆クレジット規制の強化
[個別クレジット業者に対する登録制・行政監督規定の導入]
個別クレジット業者は、登録を受けた法人でなければ営業を禁止。 (包括クレジット業者についても登録拒否事由を追加。既存事業者(個別・包括)についても、施行後6か月に登録を受けることが必要)
登録個別クレジット業者に対して、行政監督(業務改善命令・業務停止命令・登録の取消し等)を実施。[改正割販法第35条の3の23等]
[個別クレジット業者に対する行為規制(加盟店調査等)]
個別クレジット業者に対して、加盟店の勧誘行為に対する調査を義務付け、不適正な勧誘があった場合の消費者への与信を禁止。加盟店は、調査に協力するよう努めなければならない。(行政上の義務・改善命令対象)[改正割販法第35条の3の5〜7]
調査対象取引 調査内容及び方法(省令に規定) 行為の確認
・訪問販売
・電話勧誘販売
・連鎖販売取引
・特定継続的役務提供
・業務提供誘引販売取引
特定商取引法で禁止されている又は消費者契約法で契約の申し込み若しくはその承諾の意思表示の取り消しが認められる以下の行為の有無。
○重要事項の不実告知
○断定的判断の提供
○重要事項・不利益事実の故意の不告知
○威迫・困惑
調査記録の作成・保存
与信契約の申込み又はその承諾をしてはならない。
[個別クレジット業者に対する行為規制(書面交付の義務化)]
個別クレジット業者に対して、書面交付義務を強化(書面記載事項も拡充)。[改正割販法第35条の3の8〜9]
※書面交付義務の具体的内容(法定記載事項)については、現在検討中の省令案において規定する予定。
[個別クレジットのクーリング・オフ]
個別クレジットのクーリング・オフ制度を導入し、与信契約をクーリング・オフすれば、販売契約も同時にクーリング・オフされることになった。[改正割販法第35条の3の10〜11]
[既払金の返還]
通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約等(過量販売)に対する与信をしないことを個別信用購入あっせん業者に対して義務付け、そのような契約は、1年以内であれば解除可能とし、既払金返還を認める。[改正割販法第35条3の12および20]
契約解除後の清算ルール
(1)与信契約に関する損害賠償が制限される。
(2)個別信用購入あっせん業者は、立替金相当額を消費者に請求できない。
(3)販売業者は、立替金を個別信用購入あっせん業者に返還しなければならない。
(4)個別信用購入あっせん業者は、消費者から受取った既払金を消費者に返還しなければならない。
訪問販売業者が虚偽の説明をした場合に、個別クレジット契約もあわせて取り消すことを可能とし、既払金の返還を認める。[改正割販法第35条3の13〜16]
[過剰与信防止義務]
クレジット業者に対して、指定信用情報機関を利用した支払能力調査を義務付け、消費者の支払い能力を超える与信契約の締結を禁止[改正割販法第30条の2〜3、第35条の3の3〜4等]
※支払い能力調査や過剰与信禁止、信用情報機関制度の詳細については、現在検討中の省令案において規定する予定。
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