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FileNo.041212

毎年、会社で実施している健康診断に行ってきた。ずっと受けてきたが、今までは結果として特に懸念されるような事はなかった。しかし、今年はちょっと違う。「絞扼(コウヤク)性神経障害」などという病名ももらっているので、少々違った結果がでるのではないかと心配している。診断結果は後から送られてくるので、詳細は待たねばならないが、とりあえず分かっている結果がいくつかある。今のところ特に悪い数値は出ていない。まず「BMI(肥満度を表す指標)」であるが、自分で計算した結果では「22.001」であった。この数値は「22」がベストと聞くから、いい結果である。去年は「21.76」だったから、一応維持していることになる。身長からベストの体重を逆算するなら「 ベストの体重=身長の二乗×22 」で求められるから興味のある人は計算してみるといい。(具体的には次のように計算する。身長160センチの人は1.6×1.6×22=56.32sとなる)

今回初めて検査を受けたのが「骨密度」である。なかなか骨密度を正確に量る機会はない。今回も最後に診断結果を手渡されて「あ〜、あれが骨密度の検査だったのか」と分かったくらいである。小型のX線撮影のような機械の上に腕を置いて、アーム状のものが腕の上をゆっくり動きまわる。もらった結果が上の「判定結果表」である。測定結果は実にいいものだった。骨密度(カルシュウム量)は、0.897(g/平方cm)と出た。これでは分かりにくいが同年齢に比べて121%に相当すると書いてある。更に、若年成人の平均と比べても116%という結果だから満足すべき結果である。看護師さんから「何か運動をしているんですか」と質問されたが、運動などとは無縁の生活であるから、その旨言うと「それでは、よほど食事がしっかりしているのでしょうね」と言われた。この結果はそれ以外の何ものでもない と納得した次第である。

先日の新聞にこんなことが載っていた。「32本ある人間の歯は、穀物を噛み砕く臼歯が5、野菜や果物をかじる前歯が2、肉を噛み切る犬歯が1の割合で構成されている。その割合で、食物を摂るのがヒト本来の姿」という。説得力のある言葉である。元々日本人の主食は数千年前から米である。米をメインに「日本型食生活」が形成されてきた。摂るべきエネルギーの半分は主食で摂るのが理想的という。歯の構成比率がこれを裏付けている。ところが、ここにきて大きく変化をみせている。一年間に消費する米の量が、この40年で半減しているという。更に“食習慣の乱れ”も懸念されているが、これは“食の多様化”によって、何が基本なのかが分からなくなっている という事に他ならない。外食産業や、コンビニの発達、更に「デパ地下」の人気などに象徴されよう。去年、施行された「健康増進法」では、「国民は・・・・生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない」と定めている。つまり、健康であることは「国民の責務」なのである。

世の中、健康ブームである。テレビ番組では、連日健康に関する情報を流している。手を変え品を変えという感じである。私の住む近くのスーパーでも、テレビで“何かがいい”と放送されると、あっと言う間に売り切れるそうだ。次々に健康食品を摂った結果、肥えてしまったという笑えない話もある。みんなが情報に右往左往、翻弄されている感がある。また、近年のファーストフードに慣れている世代が、子供にどんな食生活をさせ、どう食の教育していくのかも気になるところである。そんな世情にも関わらず、今回の私の「骨密度」や「BMI」の結果を見れば、日見子の食に対する姿勢を改めて評価しなければなるまい。もちろん他の家庭同様、いろいろな情報は入って来るし、手を抜こうと思えば、前出の通りである。飛び交う情報に妥協せず、自分の考えを守ってきたからこそ出た「骨密度」と「BMI」の結果と言える。普段何も言わないが、思わぬところでそれを知ると、何だか感謝の気持ちが倍増する。

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追伸2:新聞に載っていた「実践したい健康八か条」(2005・01・04西日本新聞)

●毎日平均一万歩以上歩く。
●穀類、豆類、根菜類は一日7品目以上摂取。
●一日2リットル以上の水分をとる。
●お酒は飲まない。
●間食はしない。
●生野菜、生魚は毎日摂取。
●一日あたりの食塩摂取量は10g以下
●食事は常にカロリー計算

平成17年(2005年)7月15日 西日本新聞
食育基本法が施行・・・推進室設置
 家庭や学校での食生活改善で国民の健康増進を目指す食育基本法が15日施行された。内閣府は同日、食育推進室を設け、首相と関係閣僚、民間有識者でつくる食育推進会議の発足に向け準備を始めた。推進会議は9月に初会合を予定しており、同法に基づく食育推進基本計画を策定する。
 食育推進室の発足式で棚橋泰文食育担当相は職員に「食育は心と体の健やかな成長に重要。不規則な食事や栄養の偏りが国民の健康にマイナスにならないよう、国民運動として推進したい」と訓示した。
 同法は家庭や学校の教育で、子供らに正しい食生活を身に付けてもらい、健康で文化的な国民生活を実現することが目的。国や自治体に食育推進の施策策定を義務付ける一方、国民に健全な食生活を求め、農林水産業者や食品業界に安全な食料の提供を求めている。
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