中古マンション購入
異次元からの制御(4)
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File No.050902

いよいよ、定年が目の前に迫ってきた。当然ではあるが、定年と同時に社宅も出なければならない。そんな訳で、先月はまる一ヶ月、住居探しで忙しかった。時間的に後がないので“背水の陣”である。今 私は、他県に20年前に建てた家を持っている。ローン残もあと数十万円で、半年後には支払いが完了する。だが、紆余曲折はあったものの、結局「福岡」に住むことにした。福岡と言っても、さて どこに住むかである。あっちこっちの不動産屋を訪ねて回った結果、太宰府市、春日市、前原(まえばる)市が候補として残った。ふっと気付くと、“太宰府”“奴国”“伊都国”ではないか。“う〜ん、これは面白い”これで私のDNAは、どこの地が一番強く刻み込まれているのかが分る。そうなると、一切の思惑は消して、純粋に家そのものや生活環境を検討する必要がある。そして数週間、ドラマチックな展開の末、最終結果が出た。「前原(まえばる)市」(伊都国)に決定。このマンションのほんの近くに「潤地頭給遺跡」がある。

7月終わり頃、会社から帰ると、日見子がタオルでしきりに腕を冷やしていた。めずらしいことに、台所で“やけど”したと言う。かなり“ヒリヒリ”が激しかったようだ。その時は、その「痛み」が先行きの「軌道修正(異次元からの制御)」かどうか、はっきりはしなかったが、念のため「23日後」の8月20日を記憶に留めておいた。さて、前原(まえばる)市だけでも9件の候補があった。7件目の物件は、一戸建ての中古住宅だった。2ヶ月前にリフォームしたばかりで、全く古さは感じさせない。駐車2台可で、延べ床面積39坪の広い家だった。申込金を払って、明日、契約するという時になって、突然不動産屋から電話があった。重要事項説明書に「シロアリ」の記入があるという。「シロアリ対策は完璧にして渡すよう、売主の約束を取り付けた」と不動産屋も説得に必死である。だが、一旦時間を置いて、翌日キャンセルし、申込金も返してもらった。

前原(まえばる)市8件目の物件は、3LDKの中古マンションだった。前原(まえばる)市の中心街に位置している。毎日の買い物、福岡市内へのJR駅、バスの発着所、郵便局、銀行など、およそ生活に必要と思われるもの全てが、歩いて4〜5分圏内にある。立地条件抜群の物件だ。価格も一戸建てに比べれば安い。この先、年々 年を取っていくことを考えれば、この立地条件は捨てがたい。これ以上の物件は恐らくないと見て、私はこれで決まりと思った。ところが、日見子が「もう少し見て回りましょう」という。理由を聞いても、さしたる決定的な理由もない。だが、どうも今一歩踏み込めず、何だか決めかねている様子である。そこで、ふっと思い出した。「そうだ、今日は8月20日だ!軌道修正された結果、もっといい物件があるのかも知れない」と私も再度、探してみる気になった。日見子いわく「大きな会社でなくてもいいから、地元で永く営業しているような不動産屋を探してみてはどう?」

それから数日、もう地区など選んでいる余裕はない。あっちこっちを探したが、残念ながら適当な物件はなかった。正直なところ、「軌道修正」の考えも少々心の中で揺らいでいた。日見子の言う地元の不動産屋をインターネットで調べたら、前原市によさそうな不動産屋があった。翌日、日見子と行って驚いた。8件目に見たマンションの別の部屋が売りに出ているではないか!!それも「かど部屋」で条件がよく、しかも価格が何と3分の2ほどで大幅に安い。なぜこんなに安いのか、理由を聞くと「ローンの支払が困難になり、銀行が債権確保の為に売りに出した物件」という。つまり、個人売買ながら、すべて銀行と交渉する物件で“売り急いでいる”とのことだった。こんなチャンスはまたとない。それも最初の売り出し価格から昨日10%値引きしたばかりというではないか。当然、この物件で決定した。更に「軌道修正」の考えを補強しておこう。この物件の価格に、諸費用、不動産屋の手数料など全てを計算したら、シロアリの物件のとき用意した自己資金にぴったり一致した。その誤差は数万円。まるで、最初からこの為に用意したかのようであった。

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前原市の公式ホームページより

前原市ってどんなところ?
”人と自然が共生する文化創造都市まえばる”
前原市は、平成4年に市制を施行した若い市。周囲を海と山に囲まれた自然豊かな田園都市です。福岡県西端に位置し、東は人口約 130万人の政令指定都市・福岡市に接しています。福岡市の中心とは電車で約30分、都心の通勤通学圏にあり、人口増加が著しい元気なまちです。

また、中国の歴史書「魏志倭人伝」によれば、前原市一帯は約2000年前「伊都国」が栄えた地とされ、市内の史跡平原遺跡から出土した日本最大の銅鏡「内行花文鏡」をはじめとする数々の文化財は、古代のロマンを物語り、市の大きな特徴となっています。

また、平成17年には志摩町、福岡市西区にまたがる地域に九州大学の移転も計画されるなど、「人と自然が共生する文化創造都市まえばる」をモットーに前進しています。