ガソリン価格の高騰 随筆のページへ

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FileNo.071017

昨日、いつも利用しているセルフのスタンドでガソリンを入れた。今月になって石油元売大手は4円ほど引き上げたので、大方のスタンドは値上げしている。だがこのスタンドは1リットル138円と先月と同じ価格で頑張っている。更に、前回給油したレシートに2円の割引券がついているので136円で入れることができた。先月の福岡県の平均価格は145円だったから、(9円+今月の値上げ)分安く買うことができた。ところが、今朝の西日本新聞には、「NY原油88ドル突破・最高値更新:“冬場に向け受給逼迫感が強まったことから続伸・・・中東からの原油供給への懸念が拡大・・・”」という記事が載っていた。136円で給油できたと言っても値上げは時間の問題だ。企業努力で吸収するのも限界にきている。早晩値上げされ“高値安定”ということになるだろう。別の記事によれば「食料品やガソリンなどの値上げが相次ぎ、物価上昇の実感が強まってきた・・・」という。

去年と今年の6月〜9月までのわが家のガソリン消費を比較してみた。
(去年を100として、それぞれの項目を比較)

4ヶ月累計) 平均単価 消費量 支払金額
去年(200669) 127.9(100) 475リットル(100) 60772(100)
今年(200769) 132.8(103.8%) 418リットル(88.0%) 55494(91.3%)

単価は上がったが支払金額では8.7%下がった。この部分は生活防衛と言うことになる。一方、消費量の方は12%節約しているので、生活防衛という部分はあるにしても、少しは省エネに貢献できたと言えるだろう。節約には努力と我慢が必要である。例えば10kmほど先の姪浜に行くにも、いくつかの用事が重ならないと出かけない。一番の楽しみであるドライブもある程度我慢している。毎日の生活の中ではいろいろあるが例えば、毎朝飲むコーヒーの湯は、きっちり2杯分しか沸かさない。この2杯分の水をやかんに入れる私の感覚はほとんど神技である。小さいことだと言うなかれ。「積小為大」大きな節約は出来ないにしても、そういう意識を持って生活することが大切だ。京都議定書の6%削減目標達成の一番のネックが家庭から排出するCo2である。

ガソリンは近い将来確実に枯渇する。現にイギリスの北海油田をはじめ、世界中の油田がピークを迎え減少に転じつつある。今朝の新聞にあるように、これに中国をはじめ経済成長が著しい国々の需要増や産油国の政情不安などがからんでガソリンの価格は上がる一方である。恐らくこの先、大幅に下がることは期待できないだろう。この状況にあって省エネは思うように進まず、自然エネルギーの開発もカバーできるほど成長はしていない。唯一、頼りになると言えば「原子力発電」だ。このところ世界各国で「脱化石燃料」の流れで「原子力発電」が見直され、政策転換の動きにある。日本でも2005年の「原子力政策大綱」で原子力の利用推進をはっきりと打ち出している。原子力による発電は、現在30%くらいであるが、将来的には40%まで増やし石油依存率を下げる方針だ。原子力による発電は、「環境面」「コスト面」から見ても優れている。だが問題なのは「安全性」と「安定性」である。

今年7月の新潟県中越沖地震では、柏崎刈羽原発が被害に遭った。建設時に想定した数倍の地震だったが、原子炉本体への大きなダメージはなかったようだ。にもかかわらず、私は非常に不安を覚えた。地震で壁とパネルの間に小さなすき間ができ、規定の気圧を保てなかったことや、微量ではあるが思わぬところから放射性物質が漏れたことなど不安覚える材料は数々あった。柏崎刈羽原発は停止し、今も再開のめどは立っていない。「エネルギー安全保障の確立」も原発の「安全性」と「安定性」があってこそである。国レベルの問題もさることながら、とりあえず現実問題としてガソリンの高騰が我々の生活を直撃している。私みたいな年金生活者は、ひたすら防衛するしかない。昨日の給油で支払う代金6886円のうち2724円が税金である。しかもこれには当然消費税も加算されている。少し税を安くできないものか。安くしないなら、全面的に一般財源化するなり、東九州自動車道など本当に必要としているところにつぎ込んでくれるなり、このストレスをどうにかしてほしい。

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