[問題]近年、いわゆる多重債務が大きな問題となっており、消費者の自己破産申し立て件数も依然として高水準にあるが、こうした傾向に対して、消費者、事業者、行政は、それぞれの立場において、いかに対処すべきか、あなたの考えを述べなさい。


我国のクレジットカード発行枚数は、国民一人当たり二枚に及ぶ。これは、企業の競争激化によるところが大きい。また、インターネットを利用したサイバー上の取り引きも、平成7年には7億であったものが、翌年には285億と、実に40倍の拡大となっている。こうした事を背景に、近年多重債務者が急増している。実際現金を手にせず、安易に買い物が出来る点が双方に共通しており、これが背景にあると考える。 それでは、行政、企業、消費者は、どうあるべきかを考えてみる。 まず@行政においては、消費者教育の徹底を望む。近年、小学生もプリペイドカードを使用し、通信販売で物を購入する時代である。 小さい時から経済社会と関わっている。 学校における教育は実習を中心とした、実体験による教育が望まれる。自由自己責任の社会において、主体的に行動する消費者を育てるには、画一的な教育ではいけない。考える力を育てる教育を望むものである。 次にA企業においては、適正な与信を心掛けるべきである。私も与信に携わる一人として常に、「この申込は、この人にとって適正か」を基本としている。さらに、消費者相談窓口の充実による消費者志向の体制を整えるべきである。また、お客様が、破綻する前の段階で、クレジットカウンセラー的な実施も考えていく必要がある。 最後にB消費者においては、自分の生活基盤を見直し、厳しく自分を律する態度が望まれる。家庭におけるコミュニケーションも大事である。常にお互いをチェックし、困ったときは、皆で解決を図るような家庭環境を作ることである。

(1997/11:消費生活アドバイザー・論文試験)


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これが随筆を書きはじめた原点である。それぞれ論文試験終了直後に、記憶した答案内容を、自分のノートに記録しておいたもの。