弾頭に生きたネズミ

生きたままで回収をねらう


昭和33年7月

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file-No. 040530
米空軍 ソア・エーブル発射

【ケープカナベラル十日発AP・共同】弾頭に生きたネズミをつんだ強力なソア・エーブル・ロケットが九日夜ケープカナベラルで打上げられた。空軍はロケットを打上げた十五 分後に『計器によるとロケットは満足できる状態で空中を飛んでいるようだ』と発表した。ソア・エーブルさ九日午後九時四十九分(日本時間十日午前十一時四十九分)巨大な炎をふいて上昇、約三分間にわたり星空に消えていくのが肉眼で見られた。第一段ロケット発射後約二分四十秒で燃えつき第二段ロケットは予定通り点火したように見えた。

パラシュートを装備

生きたままで回収ねらう

【ケープカナベラル九日発AP・共同】航空医学専門家の一団はソア・エーブルの弾頭に乗っているネズミが三十分間の大気圏外飛行中どのような状態を示すかを知るため待機中である。米空軍弾道弾部長のシェリーバー少将はさきに『こんごのソア・エーブルの実験に当たってはサルも弾頭に入れる』と言明している。弾頭に入れられた実験動物の研究で、人間がロケットで大気圏外を飛行するときの問題がさらに明らかにされよう。

 ソア・エーブルの実験は秘密下に行われているので、公式情報はほとんと明らかにされ ていない。しかしソア・エーブルが計画通り飛行すれば第一段第二段ロケットは途中で落下し弾頭部は大気圏内に究入して目標に向かうことになっている。大気とのマサツで弾頭が焼滅するのを防ぐためパラシュートが弾頭部に装備されている。

米空軍は非常に進歩した秘密の弾頭部が大陸間飛行に相当する距離をIRBMの速度で飛行し、大気圏内に再突入することを期待しており、弾頭と生きたままの、ネズミを回収するよう努力しよう。

米国の弾道ロケットはこれまで大陸間の射程を飛んだことはなく、五月十八日の陸軍のジュピター実験のさいも弾頭は一千六百マイル(二千五百六十`)を飛行して回収された。


【下の写真の説明】ケープカナベラルにすえつけられたバンガード・ロケット

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