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第49回衆院選

[2021/10/17]
第49回衆院選

49回衆院選が19日公示31日投開票という日程で行われる。「鉄は熱いうちに打て」で短期決戦である。自民・公明連立政権と、立民・共産協力など野党勢力との闘いである。岸田首相は、今回の勝敗ラインを「与党過半数確保」とした。先月行われた自民党総裁選では、堅実な政策実行の期待から岸田総裁が誕生した。我々国民は、安定した政権の下で、確実な政策の実行を望んでいる。所信表明では「新型コロナウィルス対応」、中間層拡大のための「新しい資本主義の実現」、日本を取り巻く厳しい環境を見据え「国民を守り抜く外交・安全保障」を柱に据えた。「新しい資本主義の実現」では成長と分配の好循環を目指し、成長戦略では“科学技術立国の実現”や“経済安全保障”などを掲げた。これらを実現するために、あらゆる政策を総動員するとし、全力を注ぐ意向を力強く表明した。

 

先月の自民党総裁選における討論は、非常に興味深く聴かせてもらった。候補の中で私が最も好感を持ったのは、高市早苗候補だった。高市氏はまず基本にしっかりした国家観があり、最初から最後までぶれることなく、堂々とした発言は好感が持てた。高市氏の著書にはこう書いてある。『一人の日本人として、美しい祖国への自信と誇り、先人への感謝の気持ちを忘れずに、国家の繁栄と国民の皆様の幸せに貢献できるよう、全てを捧げることを誓う』。これこそが政治に携わる人としての出発点ではなかろうか。そして高市氏の強みは、これまで総務相や政調会長を務めてきた豊富な経験である。今回の自民党執行部の人事で、政調会長と経済安全保障本部の本部長に就任した。政調会長として政策立案に携わり、岸田政権の成長戦略の一つ経済安保本部で辣腕をふるう。私は、温厚な岸田首相と、高市氏の強力な推進力の組み合わせに大いに期待している。

 

一方、野党の動向であるが、何と立憲民主党は共産党と閣外協力で選挙に臨むという。そもそもかつて希望の党にいこうとしたことがあったことを思えば、この党にしっかりした思想信条などない。立憲民主党の支持母体である「連合」との約束も破っている。連合から「共産党との閣外協力はあり得ない」と突き上げられたのは当然である。そもそも共産党は、憲法観が全く違い、日米安全保障条約、自衛隊の存在、天皇制に反対している。政権を取ったとしても、共産党の意向がかなり反映されるだろうし、今回の公約も共産党とすり合わせた結果だろう。今の立憲民主党は、枝野代表に私物化されている。枝野代表が、権力を誇示し、言ってみれば枝野専制党である。今回の公約では、分配を強調し、年収1000万円以下の所得税免除、低所得者への現金給付、消費税の引き下げを謳っている。ところが1000万円以下の世帯は95%にのぼるという。派手なバラマキだが、そのためのしっかりした納得のいく財源は示されていない。どっちみち共産党とのバカな協力で、政権など取れるはずもない。

 

今の日本の安全保障環境は、中国の覇権主義、北朝鮮のミサイルなどで厳しさを増している。岸田新政権の外交・安全保障は、当然、日米安全保障が基軸となるが、所信表明では、国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画の改定と、海上保安能力の強化、ミサイル防衛能力の強化などに取り組む考えを示した。しかし防衛力強化にはそれなりの予算がいる。現在GDP1%の枠にはめられているが、これはほとんどが人件費と維持費に使われ、防衛力強化に必要な装備や研究開発費に使える予算は無い。現在一応の目安として、GDP2%が示されているが、日本が国家として自立した防衛に何が必要なのかを改めて考える必要がある。中国、ロシア、北朝鮮は開発している極超音速兵器の攻撃から我々を守る方法は無い。こういう兵器に対応したミサイル配備や、無人機攻撃など、新しい戦争形態に対応する必要がある。こういった喫緊の課題への、岸田首相、高市政調会長の手腕に期待したい。

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