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アメリカは、私が昔からの憧れている国である。まだテレビが、普及し始めた頃、アメリカのドラマを食い入るように見たものだった。耳から入る英語の響き、裕福なアメリカの家庭、アメリカ独特のしゃれた会話、どれもカルチャーショックであった。私が、映画を好きになったきっかけは「ベン・ハー」だったが、それを更に私の中の文化に育てたのは草創期のアメリカのテレビドラマだったのかもしれない。

アメリカで起きた「同時多発テロ」も、早いものでもう1年になろうとしている。アメリカが世界のリーダーとして君臨する象徴的な場所が襲われた。その標的となったのは、資本主義における「ワールド・トレード・センター」、安全保障における「ペンタゴン」であった。ニューヨークの株式市場は、一時取引中止になり、世界中で株価が暴落した。冷戦後、政治・経済・軍事の要の超大国であるが故の事件であった。「ワールド・トレード・センタービル」崩壊現場に灯されたキャンドルの灯りと、いちるの望みを持ち続ける行方不明者の家族が印象的だった。そのニューヨークも、やっと落ち着きを取り戻そうとしている。

ニューヨークといえば、映画には欠かせない街である。定年後、時間が出来たら、ぜひ訪れたい街である。映画に登場する場所は出来る限り訪ねてみたい。前出の「ワールド・トレード・センター」は、ロウアー・マンハッタンにあり、1976年リメイクされた映画「キング・コング」でキング・コングがよじ登り、最期を遂げた場所である。崩壊した今、訪ねることも出来ないのがさびしいが、他にもニューヨークを舞台にした映画は多い。二十世紀を代表する都市「ニューヨーク」。いつの日か実現させたい、ニューヨーク旅行に思いを馳せながら綴ってみよう。
ニューヨーク
ニューヨークの街そのものが主役とでも言いたい映画がある。それはブルース・ウィリス主演の人気シリーズ第三作目「ダイ・ハード3」である。ニューヨーク市警ジョン・マクレーン刑事が、ニューヨーク市街を縦横無尽に走り回る。映画の冒頭に、夕日に映え静かなマンハッタン島が映し出される。エンパイア・ステートビルが見える。画面は切り替わり、ニューヨークの雑踏や物売りの日常風景を映し出す。そこえ突然、5番街のデパートが爆破され、車が吹き飛び騒然となる。このシーンは6番街の実在のビルが爆破された実写だそうだ。さて、世界一運の悪いジョン・マクレーン刑事の登場である。犯人から次々と無理難題な行き先が指示される。@まず、ハーレムのど真ん中、138丁目アムステルダム交差点へ行く指示がでる。A最初に爆弾が発見されたのは、ハーレムの中セントニコラス115丁目の公園だった。B次の指示は、ブロードウェイ72丁目の地下鉄前だ。Cそして、この映画のストーリー上もっとも重要なウォールストリートへ・・・。ここの地下鉄駅構内キヨスクそばの公衆電話が指示される。犯人は地下鉄を爆破し、混乱に乗じてWallt.駅の前にある連邦準備銀行(日本で言えば日本銀行)の金塊を盗もうというのだ。マクレーン刑事は、Wallt.へ急行するのに、なんとセントラルパークのサイクルロードを暴走する。更に救急車の後ろについて走るシーンは9番街の57丁目から42丁目を封鎖して撮影されたそうだ。

この他、ニューヨークの生活を背景にした映画は数多い。
リチャード・ドレイファスがアカデミー主演男優賞をとった「グッバイ・ガール」。ドレイファスとマーシャ・メースンがダブルブッキングしたアパートは、West 78TH st.にあった。



ビリーワイルダー監督、ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの「アパートの鍵貸します」もニューヨークが舞台。アパートはセントラルパーク近く「西67丁目51」にあった。

忘れてはならない名作「十二人の怒れる男」。ニューヨークに住む12人の陪審員が主役の映画である。最初に無罪を主張したのは、ヘンリー・フォンダただ一人。審議を重ねるごとに無罪へ傾いていく陪審員たち。最期は、全員一致で無罪を評決する。
「ゴースト・ニューヨークの幻」は、幽霊になっても愛する人を守ろうとする切ないラブストーリーに、ライチャス・ブラザースの「アンチェインド・メロディー」が効果的につかわれていた。
SPOT 1、ブロードウェイ(7TH AVE 44TH.St〜53TH.St あたり
ブロードウェイでヒットしたものが映画化されたのも多い。ブロードウェイで驚異的なロングランを続けた「南太平洋」もそうであるその中の「魅惑の宵」は名曲である。オードリ・ヘップバーンのサスペンス「暗くなるまで待って」もブロードウェイでヒットした舞台劇の映画化だ。映画にしろ曲にしろ、その時代々々の感性に基づいて創られたものである。今改めて振り返ってみると、どの映画からも、その当時の感性を感じ取ることが出来るわけであり、これもまた楽しみの一つである。
SPOT 2、摩天楼(5th. Ave.E 34th St.
1933年の「キング・コング」のコングは、ニューヨーク第一の摩天楼エンパイア・ステートビルの頂上に登った。ラブストーリーの名作「めぐり逢い」では、運命的な出会いをしたマイクとテリーがエンパイア・ステートビルの展望台で再会を誓う。そして時が経ち約束の日、エンパイヤステートビルに急ぐテリーは事故に会う。展望台には待ち続けるマイクがいた。
SPOT3、ティファニー(5th.Ave E.57TH ST
誰もが知るオードリ・ヘップバーンの「ティファニーで朝食を」。ニューヨークのアパートに名前のない猫と住むヘップバーンが、ティファニーのウィンドウを覗きながら、朝食のパンをかじる。ヘンリー・マンシーニ作曲の主題歌「ムーン・リバー」は、60年代を代表する歌手アンディー・ウィリアムスの名唱で大ヒットした。
SPOT 4 セントラル・パーク
メル・ギブソンの「身代金」。冒頭のパーティーシーンは、5TH AV.セントラルパークを見下ろすペントハウスだった。誘拐現場となる子供科学フェアーのシーンは、セントラル・パークの中心にあるベセスダ噴水が使われた。マジソン街でのアクション・シーン、実はアッパー・イースト・サイドで撮影されたそうだ。この撮影の時、メル・ギブソンをひと目見ようと何百人ものニューヨーカーが集まったと言う。
SPOT 5、地下鉄
「サブウェイ・パニック」ではニューヨークの地下鉄が4人組の男たちにハイジャックされた。そのリーダーはロバート・ショウ。地下鉄公安局の警部補ウォルタ・マッソーとの戦いが繰り広げられる。ハイジャッカーの一人にマーチン・バルサムも出ていた。(ウォルター・マッソーといえば、ジャック・レモンとの掛け合いが最高だった「おかしな二人」を思い出す。二人の絶妙な会話に、アメリカを感じたものだ。)
SPOT 6、ウェスト・サイド

あの有名な「ウェスト・サイド物語」。ブロードウェイ・ミュージカルを映画化したもの。ウェスト・サイドにたむろする不良少年グループ「ジェット団」と「シャーク団」が対立する。すばらしい踊りを披露してくれた主演のジョージ・チャキリスはどうしているのだろうか。チャキリスの妹役のナタリー・ウッドは非業の最期だった。



 
SPOT 7、ブルックリン
「フレンチ・コネクション」でポパイことドイル刑事(ジーン・ハックマン)とラソー刑事(ロイ・シェイダー)が、麻薬の密売人狩りに躍起になっていたのは、ブルックリンだ。高架線の下を車で追跡するシーンは、ブルックリンのベンソンハート地区。しかしなんと言っても最も印象に残っているのは、二人がリンカーン車を解体して、麻薬を探し当てるシーンである。「サタデー・ナイト・フィーバー」では、ブルックリンに生まれ育ったトニー(ジョン・トラボルタ)が、そのたぐい稀なダンスの才能で、広い世界へ向かって飛び立とうとする。
SPOT 8、自由の女神(Liberty Island)
やっぱり最後はここでしょう。「猿の惑星」では、猿が高い文化をもつ高等動物で、核戦争で滅亡した人類は下等動物になっていた。チャールトン・ヘストンが、自由の女神を見て、この星が地球であると認識する。自由の女神が象徴的に使われていた。

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