最近のCMを見て

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@日清 めんたつ・ごんぶと
   永谷園 お茶漬け

このCMは、ただひたすら食べることを表現している。それも「激しく」食べるところを見せ、食べる音も大きくリアルに聞かせている。見終わった後、食べる音だけが耳に残る。かってない異様な雰囲気のCMである。印象は、正直言って「感じが悪い」と言ったほうがよい。「食べる」という行為は、生きる為の基本であるが、それを激しく強調して人に見せるもではない。むしろ、テレビにおける「食」は「楽しむ」ことを強調すべきである。それが「食」における日本の今のレベルだろう。

Aサンヨー食品 (サッポロ一番のCMソング)
  日立製作所 (日立の樹のCMソング)

CMのメロディーも、10年、20年と永く変わらないものも多い。これは、その商品その会社が、すなわちこの永きにわたって変わらないコンセプトで生き続けているという証拠でもある。上記、「サッポロ一番」は「日本で一番売れている」というCMを最近流している。つまり、消費者に一番受入れられているという事であり、そこには真面目な経営姿勢を見てとれる。経営というものは、どれだけ継続して生き続けられるかが問われるものであり、その為には、「基本と正道」を踏み外さない厳しい「自律」が必要である。CMは、我々がその会社を判断出来る一つの材料でもある。

Bダイハツアトレー 高橋
スバルプレオ 中田

CMに起用されるキャラクターは、今が「旬」の人物が多い。上記二人は、プロスポーツの中でも、日本でトップの選手である。CMに起用されたのもうなずける。起用したキャラクターで確実に何割か売り上げが増えるというからなおさらである。しかし、日本でトップのプロがどれくらいの収入でどれくらいの生活をしているか、想像がつく。上記二人は、偶然にも「軽自動車」のCMであるが、どう見ても「キャラクター」と「商品」が不釣り合いである。とは言うものの、現実は大部分のファンが受け入れ、二人の好感度も上がる相乗効果があるのだから、私のごく個人的見解でしかない。でも、やっぱり「らしさ」は大切にしてほしいと思う。プロには、金銭で割切れない責任があるのもまた事実。

C資生堂 化粧水 「アイドルを探せ」
  ホンダ CAPA 「日曜はだめよ」

上記二つの「ポップス曲」は、私がまだ若かったころヒットした「なつかしい曲」である。今聞いても新鮮で、今時の曲と違って"ほっ"とする。CMソングに採用されたことを考えれば、「ねらい」はそこにあるのではなかろうか。最近「坂本龍一」の「癒し」系と言われる音楽が脚光をあびているが、昔の音楽は、意識しない自然な「癒し」の要素を持っているものが多い。メロディーにもリズムにも無理がない。上記化粧水の「キャッチフレーズ」は「うるおいがうるおいを呼ぶ」である。まさに人間が人間らしく生きていくスタイルは、自然体が一番良い。

Dネスカフェ ゴールドブレンド

このCMも、かなり古くから同じコンセプトで流れている。キャッチフレーズは「違いが分かる・・・」「上質を知る人の・・・」である。起用されるキャラクターは、いずれもそれぞれの分野でトップを極めた人ばかりである。商品は、インスタントコーヒーではあるが、その中にあって、やはり高級なレベルではある。この一貫したコンセプトを守ることで、商品のイメージはもちろん、起用された人にとっても、ステータスとなるのではなかろうか。今後も、続けてもらいたいCMであり、どんな人が起用されるかもまた興味をもって見ていきたい。


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