福岡市・海の中道海浜公園 日本の名車歴史館 |
名車の一部です 随筆の頁へ トップ頁へ file-No. 040603 |
福岡市に「海の中道海浜公園」というのがある。ここは国営の公園で、旧米軍博多基地の返還跡地を公園としたものだ。中には花壇や、動物、鳥類、水族館、遊園地などの多くの施設があり家族で楽しめる。この公園の先には“金印”で有名な「志賀の島」がある。天神からだと、都市高速経由のバスなら40分くらいでいける。この公園に最近また一つ施設が増えた。「日本の名車歴史館」である。昭和30年代から40年代にかけて、私たちがあこがれをもって見ていた高級車、乗ったことのある大衆車などなど数十台が展示してある。中に入ると、どの車を見ても“なつかしい”“なつかしい”の連発である。フロントもテールもそのデザインはなつかしさ溢れるものばかり。館内には、私と同年輩の人がデジカメをもって記念に撮っていたり、当時を思い出して、子供にうんちくや思い入れを熱く語っている人さまざまである。
そのなかの一台に“トヨタ・パブリカ”があった。私にとって、特になつかしい車である。昭和40年代のはじめころであるから、当然私に車なんか買えるはずもなかった。それより、当時免許さえ持っていなかった。ところが、ラッキーなことに、会社の仕事で必要になって会社から免許を取らせてくれた。ある程度運転にもなれ、自信がついた頃に“レンタカー”を借りて彼女をドライブに誘った。その車こそ“パブリカ”だった。まだ1000キロほどしか走っていない真っ白な新車である。耶馬溪や九重を走って、目的地は“山下湖畔”。「森と湖にかこまれて・・・・」どこかで聞いたような歌詞だが、文字通り静かな湖畔で昼食をした。彼女の作って来た弁当がおいしかったんですよ〜。おにぎりというのは三角とばかりと思っていたら、彼女のおにぎりは俵型だった。「えっ、その後その彼女どうしたかって?」「はい、さっきから隣の部屋で何だか、えらく深刻そうなドキュメンタリー番組を見ています」
この館に展示してある車のすごいところは、実際に走れる状態のものばかりというところである。ただ単に飾ってあるのではない。私が高校のころ走っていた“HINOコンテッサ”だって走るのである。半世紀の時を越えてなお、実際に走る車であるところに意味がある。私が、自動車学校で免許をとった時の“クラウン”もなつかしかった。スカイラインのテールランプは“まん丸”でした。「愛知機工・幻のコニー」という車も展示してあった。なんだか館の回し者みたいだが、興味のある方、ぜひ足を運んで自分の目でみて、郷愁に浸られることをお勧めする。
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